朝茶の福

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朝茶の福

おはようございます。秋番茶摘みも終わればもう今年もお茶の年越しの世話をする
ばかり、深蒸し茶の東山茶業組合も少しのんびりした季節になります。

今朝は朝茶の福のお話です。

寝坊した朝、誰もがバタバタと時間を取り戻そうとしがちです。できるだけ急ぐこと
も大切ですが、朝にはもっと大切なことがあります。

「おやおや寝坊してきたと思ったらもう出かけるのかい」

「うん、遅れちゃうよ」、服を着ながら降りてきた息子は柱時計を見上げて焦ってい
ます。

「そんなに急ぐと忘れ物があるよ」、髪を直し歯ブラシを咥えたままの息子に母は
言うのですがもう朝ごはんを食べている時間がないようです。

そんな時に限って財布を忘れたり、車の鍵を探したりと落ち着いて考えれば見つ
かるものがありません、焦るとそんなものですね。

そんな時に母は慌てず一杯のお茶を淹れてくれます。

「朝のお茶は飲まなくてはいけないよ」

朝、お茶を飲めば一日のさまざまな災難を防ぐと言われています。
落ち着かない息子をいさめて、一杯の熱いお茶を飲ませるのです。

お茶を飲み干すわずかな時間で心が落ち着いてきます。その時間に忘れていた
ことも思い出します。そしてお茶はなにより体をしっかり起してくれるのです。

「朝茶は福が増すと言うからね、毎朝飲まなくちゃいけないよ」

湯飲みを受け取って見送る母は慌しい中で心を取り戻させてくれました。

落ち着いてことにあたれば何事も為せる、朝茶の福はそういうことを教えている
のです。

東山の深蒸し茶で朝茶の福を召し上がりくださいね。


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