日坂から東山

カテゴリー │ちょっと一服



おはようございます。秋番茶摘みに励む深蒸し茶処、東山茶業組合です。

昔むかしのお話、東山を下りてまいりますと東海道は日坂の宿、西へは掛川
宿へ、東からは大井川を渡った金谷宿の間にございます。

金谷からは難所小夜の中山を越えてまいりますが、この峠を下りて日坂で
一服する旅の衆も多かったと聞いております。

この坂を光圀主従がやってまいります。

「ご隠居~この峠さえ越えれば掛川宿、今夜はごちそうをいただきましょう」
うっかり八べえさんあたりが言いまして足を急ごうとしますと、ご隠居が止め
ます。

「寄っていきたいところがあるのじゃ」

「へっ?」八べえさん、ご隠居が日坂の宿から折れてまた山道に向かいます
から「どこへいらっしゃるんで」

ご隠居が訪ねようと思いたったのは日坂から粟ヶ岳に向かって一里、東山
の里でありました。

「掛川でもこの東山が銘茶の出処、とくに深蒸し茶を育てる民がおるのじゃ」
ご隠居は腰も足も達者、そのうえに茶好きときていますからどんどんと坂を
あがってまいります。

「やあ、茶畑だあ」、息をせききっておりましたが八べえさんも黄金とも緑と
も見える茶の葉茶の畑を見まして見事だ見事だと連発しております。

「ご隠居、あそこに茶の文字が」

「そう、あれが霊峰粟ヶ岳、茶の文字は茶をつくる東山の民が木を植えて
茶処東山の心を表しておるのじゃ」

「やあ 見事なものですねえ」、光圀と八べえは掛川で待つ助さん格さん
のことなど忘れまして東山に遊びます。

こんな話は時代が合いませんが、明日もこの続きとさせていただきます。



 

雨の作戦会議

カテゴリー │東山日記



おはようございます。今年の秋は干ばつと言えるほど雨が降りません、たまの
雨は恵みの雨、秋番茶摘みの間にも雨は歓迎すべきことなのです。

掛川東山茶業組合の仲間は雨の日も無駄にせず作戦会議を開きます。

お茶の試飲のイベントに出かけよう、新しい商品はできないか、パッケージを
検討したらどうだろう、年末のギフトはどうしようと計画すべきことはたくさん
あるのです。

そんな時にもあたたかいお茶が淹れられます。
ときどきお客さんがみえると、こんなに美味しいお茶をと驚かれますが、やは
り私たち茶業の者は舌が肥えてしまっているのでしょう。

東山の深蒸し茶は美しく濃い緑色、香りよくて味もよし。
褒めていただけるお客様の為にも、この秋も茶の木を育てていきます。

そろそろ年末のギフトのお話もいただいています。
予約を承りますのでお早めのご注文をお願いしたいと思います。



 

お茶の製造もオートメーション

カテゴリー │お茶工場紹介




こんばんは。

東山茶業組合でございます。

東山茶業組合も昨日から4番茶(秋冬番茶)が始まりました。

お茶の製造は、製造員の経験に基づく、目で見て、手で触って、五感で感じながらよいお茶を揉むことです。

それでも、昔に比べれば格段に機械化されています。

例えば、お茶を揉むためのさまざまな工程は、自動化されお茶が次々と流れて行きます。

これらはモニターで監視でき、全体の流れや、工程上のトラブルがビジュアル化されるようになっています。

製造員にとってこれはとても便利であり欠かせないものです。

もっとも、これはあくまで工程管理のツールであって、よいお茶が揉めるわけではないことは言うまでもありません。



 

東山は山間地

カテゴリー │お茶摘み風景



おはようございます。秋の作業は秋番茶、毎日朝早くから東山の仲間は茶
畑で働きます。

みなさんはお茶畑をご覧になったことがあるでしょうか、茶畑は広く平らな
場所もありますが、山肌一面に畝をつくる茶畑が多くあります。
とくに掛川の中山間地と呼ばれる粟ヶ岳の裾野にある東山は急な斜面に
多くの茶畑が広がっています。

一番茶の頃、多くのカメラマンが茶摘みを撮りにいらっしゃいますが、その
畑の急なことに驚かれます。
トラックも全て四駆で揃えて急な坂道での作業をしています。

「写真を撮ってもいいですか」と聞かれますが、なかなかついてこれない
ほどの斜面にみなさん驚かれ、滑る足元に苦労されて上ってこられます。

斜面の茶畑で働くからこそ私たちは強い足と腰を持っています。
健康で働けるからこそ、おいしいお茶が育てられるのです。

一番茶ほど美しくはありませんが、東山の秋の茶摘をご覧下さい。
全山に広がった仲間が働く様子をご覧いただくことができます。



 

秋番茶始まる

カテゴリー │東山日記



おはようございます。日曜の朝、深蒸し茶処の東山茶業組合は朝から仲間たち
が働いています。

一年に三度、最初は4月の下旬の一番茶、一番茶摘みから45日ほどの6月に
は二番茶、そしてこの時期に秋番茶(しゅうばんちゃ)摘みが始まります。

秋番茶は主にほうじ茶やペットボトルのお茶の原料となりますが、お茶を一年
中健康に育てる私たち組合のお茶は原料としても人気を持っています。

初夏の気候となる4月末から5月の一番茶の頃と秋は同じような陽ざしを浴び
ての作業です。
準備の為に毎日茶畑に出ていた私たちは既に夏のように真っ黒に日焼けを
しています。

ブーンブーンと茶摘機のエンジンの音が東山に響いています。
働き者のそろった東山の秋は朝早くから始まっています。



 

徳利蜂?

カテゴリー │東山日記




こんにちは。

東山茶業組合でございます。

明日から、今年最後のお茶刈りになる、秋冬番茶が始まります。

それに向けて茶畑の様子を見に行くとこんなものが。
多分、徳利蜂の巣でしょうか?茶畑でよく見かけますがこんなところで見かけるのは初めてです。

茶畑に散水するためのスプリンクラーのヘッドは、使わない時は、茶の樹の中に隠れていますが、散水を始めると、水圧ですーっと伸び上がります。

きっと、使う前の茶の樹の中に隠れているときに巣を作ったのだと思います。

それにしても丁寧に作ってあるもんだと関心します。



 

2万5千分の1の感謝

カテゴリー │東山日記



おはようございます。 秋番茶の摘み取りがはじまる深蒸し茶の里、東山茶業組合
です。

昨日このブログが25000カウントを達成しました。
昨年の11月25日に開設した私たちの新しい挑戦として始めたこのブログの自慢は
一日も休まなかったことです。
ご覧いただいてこそのブログですが、今後ともよろしくお願いいたします。

画像は国土地理院のサイトから2万5千分の1の東山の地図です。
私たちの組合があるあたりは標高150m程度であることがわかります。

そして私たちを見下ろす粟ヶ岳は532m、頂上には茶祖栄西禅師が見守っていて
くれます。

お茶農家は終末が休みというわけではありません。先祖代々継いできた茶畑を
大切に管理し、次の時代もおいしいお茶が採れる東山でありたいと思っています。

ブログも毎日、毎日東山のお茶を呑んでいただけるようにがんばります。
応援をお願いいたします。



 

秋の春の茶

カテゴリー │お茶の楽しみ方



おはようございます。シルバーウィークの間も秋のお茶の準備をしておりました
深蒸し茶の東山茶業組合です。

秋はまた春の緑がよみがえります。東山は掛川にありますが田の稲刈りも済
み、株からはまた緑がよみがえる。あれをひこばえなんて呼んだりします。

緑よみがえれば春のように蝶も舞う、昨日は黄色や白の蝶が飛んでいる春の
ような景色を見ることができました。

東山のお茶といえば4月の末から5月の初旬に摘みます一番茶(新茶)でご
ざいますが、このお茶を摘む頃と今頃は空気の涼しさといい日の強さといい
似ておりまして、また初夏がやってくるような気がしています。

春に摘んだお茶を秋にいただく。春から夏また秋へと移ってまいりましたが、
東山の一番茶は組合の冷蔵庫で眠っております。
この保存をしている間にお茶は少しづつ熟成しましてまたおいしくなります。

この秋の春にもご注文をいただければと思います。

秋にお茶、お茶に月、月に団子、団子にお茶とつながってまいりしてお茶が
おいしい季節になります。

どうぞこの秋も東山の深蒸し茶をかわいがっていただきたいと思います。



 

夫婦で湯飲み

カテゴリー │お茶の楽しみ方



おはようございます。 朝一番に更新するこのブログは、毎朝の一服のお茶の
ように続けていきたいと思います。
深蒸し茶の東山茶業組合です。

夫婦に子供の湯飲みが並ぶ頃が家族にとって一番幸せな頃と言われますが、
子供はやがて育ち、一人ひとりと自立していきます。
そして最後には夫婦二人だけとなる。
そんな時もまた幸せだと言われます。何十年ぶりかの二人きり、二人だけの
お茶の時間も楽しんでみたいものですね。

焼き物の産地に出かけると必ず展示されているのが夫婦湯飲みです。

ちょっと恥ずかしいかなと思いながら夫が妻が買ってくる夫婦湯飲みには
愛情がありますね。

夫婦に揃いの湯飲み、その湯飲みも季節によって使いわけても楽しいそうだ
と思います。
どの季節にも揃ってお茶を飲む、夫婦湯飲みの数は限りなく増えていきそう
ですね。



 

お茶の名前は芸能人

カテゴリー │お茶の木の話



おはようございます。朝の一服のお茶の暖かさに秋の訪れを感じる深蒸し茶
の里、東山茶業組合です。

みなさんはお茶の品種が多いことをご存知でしょうか。有名なヤブキタ、サエ
ミドリなどの他にさまざまな品種が全国で育てられています。

この名前がなかなか面白く、愛されるお茶にしようとかわいらしい名前がつけ
られています。ちょっと芸能人の名前のようなのです。

星野緑、おくゆたか、司みどり、みねかおり、みなみかおり、みなみさやか、
さわみずか、みねゆたか、摩利子、藤かおり、さがらひかり、さがらみどり、
さがらかおり、さきみどり などなど。

ちょっと演歌歌手さんが宝塚の団員さんのような名前が続きます。

もし東山で新品種を作ったとしたらどうでしょう。

東山ゆたか、東山めぐみ、粟ヶ岳のぞむ などはどうでしょうか。

どの品種を育てるのも茶農家です。一つひとつの名前は何年もの努力で
生み出されていきます。



 

椿は茶に似て

カテゴリー │お茶の木の話



おはようございます。祭りも終わりいよいよ秋の仕事に向かう深蒸し茶の東山
茶業組合です。

先日書きました侘助が早くも散るのを見ました。
侘助も同じくお茶はツバキ科の植物で秋から冬に花を咲かせます。
もちろん、花が咲くような茶の木では管理が足りませんから東山では茶の花
を見ることはほとんどありませんが、ツバキ科の花は美しいものですね。

花が減る寒い季節に赤や白の花を咲かせるのはツバキ科の花が多く、ポトリ
と落ちるその花にも風情を感じます。

ポトリ、ポトリと落ちる花に秋を感じながら秋のお茶を楽しむのもうれしいこと
ですね。


 

手水清き心

カテゴリー │東山日記



おはようございます。秋まつりを楽しんだ東山、皆様はシルバーウィークをどのよ
うにお楽しみでしょうか。深蒸し茶の東山茶業組合です。

祭りとも関連しますが、神社などの参道に設けられているのが手水場(舎)です。
清き水が流れていてここで手や口をすすぎ清めてからお参りにいきます。

私がよく参る神社の手水場にはこのような柄杓が置かれ、うれしいことにこの
水は飲めると書かれています。
古くここには井戸水が汲み上げられて常に水を流していますが、水質検査も
行って飲用に適すると看板が掲げられています。

汲んだ水で両手をすすぎ、口を潤すとき、心まで洗ってくれるように思います。

先日この水を小さなタンクに汲んでいる人を見ました。
「おいしいんですか」と聞けば、「自慢の水です」と教えていただきました。

この水でお茶を煎れるとおいしいのだそうです。

次には是非汲んでこようと思いながらいつも水筒を忘れてしまいます。

口をすすぐついでに飲んでしまう人が多いからと調べてくれたお宮の看板
に感謝しながら今度汲んでお茶を淹れてみましょう。

これほど清い水はありませんからね。


 

秋祭

カテゴリー │東山日記



こんばんは。

東山茶業組合でございます。

昨日から地元の秋祭りが行われています。

九月末から始まる秋冬番茶を前の連休に二日間の祭りです。

お盆が過ぎると子供達は太鼓の練習を始め、青年達は屋車の仕度を始め、
祭りに向けて地区全員で準備します。

普段、顔を合わせる近所の仲間も、祭りを通して親睦を深め繋がりを深める
大事なコミュニケーションです。


 

お茶の月

カテゴリー │東山日記



おはようございます。連休が始まり東山から見下ろす街道にもたくさんの車
が行き交っています。
深蒸し茶の東山茶業組合です。

お休みの朝、皆様は急須でお茶を煎れていらっしゃいますか。

まあるい湯のみに家族の分のお茶を煎れて飲む日曜の朝のおすすめです。

お茶を急須で煎れる習慣が薄れてきていると言われますが、それでもお茶を
囲んでのひと時は大切ですね。

そして秋は月、のんびり過ごす連休の夜に月のようにまあるい湯のみにお茶。

のんびりのんびり、一服のお茶をのむこと。
私たちはおすすめしています。

のんびりのひと時にお茶を召し上がりください。



 

侘助咲く

カテゴリー │茶花歳時記



おはようございます。連休のはじまりながらお茶農家の仕事は続きます。見上げ
る粟ヶ岳には静かに秋がやってきています。 深蒸し茶の東山茶業組合です。

昨年教えていただいた公園で茶花の侘助(わびすけ)が咲きはじめました。
公園の表示では日本の椿と中国の茶の木の交雑種だと言いますから気になる
秋から冬の花のひとつです。 これも茶花とされています。

調べてみますと侘助という人が朝鮮から持ち帰ったという説もありますが、もう
一つこんな話がのっていました。

「この椿が侘助といふ名で呼ばれるやうになつたのについては、利休と同じ時
代に泉州堺に笠原七郎兵衛、法名吸松斎宗全といふ茶人があつて、後に還俗
侘助といつたが、この茶人がひどくこの花を愛玩したところから、いつとなく侘助
といふ名で呼ばれるやうになつたといふ」

侘と茶のつながりが面白く、茶花らしき名前にお茶とのご縁深く感じています。

まだはしりの花は頼りなく、秋のはじまりだというのに冬の椿の花を見るようで
季節の進みを感じています。

公園のものでいただけませんが、切って座敷に飾ってみたいようなお茶にご縁
の花でした。



 

抹茶黒ミツ

カテゴリー │お茶摘み風景



おはようございます。爽やかな秋風の中、粟ケ岳を仰ぎ見る深蒸し茶の東山
茶業組合です。

お茶の生産者として各地のお茶が気になるのはもちろんですが、お茶の関連
商品の動向も気にしています。

お茶はリーフとして飲まれるばかりでなく、さまざまな加工品として使われ
ます。
お茶とつくものはなんでも気になってしまいます。

あるところで抹茶黒ミツのアイスクリームをいただきました。
口をさっぱりとする抹茶に濃厚な黒ミツ、少し疲れ気味の体に力をつけて
くれる味でした。

お茶の味はホッと一服の味です。リーフも加工品もお茶を楽しむものだなと
思います。

秋も東山のお茶をよろしくお願いいたします。



 

ススキは茶の冬布団

カテゴリー │東山日記



おはようございます。もう暑い日もなくなり秋まっしぐらを感じる深蒸し茶の里、東山
茶業組合です。

東山といえば粟ヶ岳、その裾野にもススキの季節がやってきました。
毎年粟ヶ岳の茶文字の周りにはススキなどの下草が生えますが、これを刈るのも
深い秋の仕事です。

東山の茶葉は葉厚が厚く育ち、深蒸しに耐える健康な茶葉が自慢ですが、代々
私たちはススキなどの下草を刈っては裁断し、畝間に敷き詰めて冬を越させる準
備をしています。

枯れた下草は畝間でサクサクと乾き茶の木の根元を暖める冬布団となるのです。

どうして手間をかけるのかと聞かれることがありますが、これは東山の茶農家が
代々受け継いできた茶への愛情です。
一緒に寒い冬を越えて美しい春を迎える為の作業になっています。

秋はススキ、名月をみながらお茶とお団子、邪魔者にされるススキも秋の風情を
もらたしてくれるものです。
私たちはススキが終る頃、冬支度をはじめています。



 

野遊びの数珠玉

カテゴリー │東山日記



おはようございます。一雨が秋を深めてくれる深蒸し茶の里、東山茶業組合です。

野に生える数珠玉を見つけて持ち帰るとハト麦じゃない?と言われて調べて
みると、厳密には数珠玉とハト麦は違うそうです。

「ハト麦、ハブ茶、プーアール」というCMで知られているようにハト麦は薬用に
用いられる植物です。数珠玉より少し茶色いそうですが見分けがつきません。

みなさんは数珠玉で遊んだことがありますか、黒い実やブチの実や白い実など
をたくさんとってきて繋いで遊ぶのです。
母から針と糸を借りて数珠玉をつないでゆくのです。

数珠玉には独特の香りがありますから遊んでいるうちに部屋が青臭い匂いに
なったことを覚えています。

秋から冬の野山には子供の遊び道具がたくさんあります。
ドングリが落ちているところ、クルミの木があるところ、椿の実を拾ったり、拾っ
てきたクルミをむいたり、そのクルミを食べたりと遊びは無数にあるのです。

数珠玉もその一つです。

今の子供は自然にあるもので遊ぶことがなくなりましたが、私たちは見つれば
昔の遊びを思い出すことができます。

野遊びも伝えてあげなくてはいけませんね。


 

明治の茶摘み女

カテゴリー │東山日記



おはようございます。今日は恵の雨も降りそうな深蒸し茶の里、東山茶業
組合です。

一億人の昭和史日本人 三代の女たちから写真を借りています。

写真は明治の京都での茶摘み風景です。
明治の頃はもちろん全て手摘みです。

東山郷土史にもありますが、茶摘みは朝6時から日が暮れるまでの重労働
です。
この写真では茶摘みの日当は一番茶で4キロ6銭から7銭だったそうです。

東山も機械が登場するまでは広く吉田や榛原方面まてからお茶摘みの人が入
りました。

手摘みの苦労の上にお茶を生産していたのでした。



 

水と茶の木

カテゴリー │お茶畑の働き者



おはようございます。日ごとに涼しさを感じる朝、南アルプスの南限と言われて
います粟ヶ岳の裾野に広がる東山は中山間地でもあり、少し秋も早くやってき
ます。 深蒸し茶の里、東山茶業組合です。

東山は東海道の日坂に近く、山を越えれば次は金谷宿、静岡県の西部になり
ますがむしろ中部との境となる大井川に近い場所にあります。

東山には大きな川もなく開拓した先人は水で大変な苦労をしたと聞いています。

茶畑の多くは山を拓いた場所にあり水利がよいわけではありません。
そこで多くの水を溜める施設を設け続けてきたのです。

水豊かなれば茶も潤い、私たちも心配なく健康な茶を育てることができるのです。

今や大井川の水を利用して豊富な水を持つ東山は掛川中山間地のお茶として
高い評価をいただいています。

山を拓くことは水を拓くことでもあります。
そこに小さな茶の苗を植え、水を与えて育てているのです。


 

茶の子で繋ぐ

カテゴリー │お茶畑の働き者



おはようございます。晴天が続く秋の日にここらで一雨を待っております深蒸し茶
の里、東山茶業組合です。

静岡県を旅する人、東山を訪ねていただける人がみな褒めていただけるのがお茶
畑の美しさです。
私たちにとって当たり前に見ている景色を褒めていただくと、今さらながらに先人
が拓いてくれたこの土地と茶畑に感謝する気持ちになります。

茶畑は継いでゆくものです。先人が拓いてくれた茶畑の茶の木は多くを与えて
くれますが、その木も古びてくればまたか移植をしています。
根までこいだ畑に新しい茶を育てていきます。

少しづつ開拓もすすめます。計画をして剪定をし、また元気で健康な茶が育つ
ように毎日面倒をみています。

お茶は一年のもの、私たちのお茶は代々こうして継いできたものです



 

香りで仕上がりを知る

カテゴリー │お茶の楽しみ方



おはようございます。掛川の深蒸し茶の里、東山茶業組合です。

もう5ヶ月も前のこと、4月の初手摘み茶の頃の写真です。
午前中に収穫した茶葉は午後から加工しますが、その加工工程は10時間に
も及ぶ作業となります。

蒸しから粗、中、清揉という三段階の乾燥させながらの揉み工程を終えると
最後が乾燥の工程となります。
下から暖めた乾燥箱は四段の網引き出しに茶を広げますが、均一に乾燥さ
せるためにその引き出しの順を変えて均等に乾燥させていきます。

工場長が拝見盆を伏せていたのは乾燥箱の排気口です。
ここから半乾燥のうちは青い麦わらのような緑の香りが立っていますが、次
第に香り高い茶を感じることができるようになります。

タイマーも何もない乾燥箱での乾燥時間は工場長の「香りを見る」経験で
決まります。
「あと5分」、おおよその目安の中で「ここまで」という仕上がりを決めている
のです。

香る経験は加工の日の天候も加味して何年もの経験が必要です。
お茶の香りはこの乾燥工程で決まってきます。



 

湯のみでチリリン

カテゴリー │お茶の楽しみ方



おはようございます。朝の熱いお茶がおいしい頃となりました。深蒸し茶の
東山茶業組合です。

家のマイ湯のみで毎日お茶を呑んでいますが、たまにはお客様用の湯のみで
呑むのも楽しいことです。
父が湯のみを集めるのが好きで食器棚にはさまざまな湯のみがあります。

人が来るとそんな湯のみから取り出してはお茶をいれています。
お茶の楽しみには器の楽しむものでもあります。
薄い湯のみ、手作りの楽しさ、寿司屋さんでいただいた大きな湯のみと使い
分けて楽しみます。

今朝は薄い湯のみです。
箸で弾けばチーンと涼しい音がしましたよ。

秋の湯のみはチリンチリンと虫の声、さあ今日もお茶の世話に出かけます。


 

お茶にする

カテゴリー │ちょっと一服



おはようございます。秋の清清しさの中にもひと雨の恵みが欲しい深蒸し茶の
里、東山茶業組合です。

今朝のテーマは「お茶にする」からヒントを得てお茶の慣用句のお話です。

お茶にしましょうと言えば一服することですから、仕事をしている人に呼びかけ
る言葉として「お茶にしてください」といえば休憩することを注しています。

ところが縮めまして「茶にする」でしたらどうでしょうか。
普段の会話の中で「茶にする」はお茶を呑むことを注していますが、一方「まじ
めにとりあわない」ことも「茶にする」と使います。

一所懸命に説明している時に、まじめに聞かずとりあってもらえないようなこと
を「茶にする」とも言うのです。

私たちはいつも我らのお茶がどうしたら多くの人に楽しんでいただけるかを考
えています。
まじめな討論は熱を持ち、そんな時に「お茶にしましょう」とお茶を呑みますと
リフレッシュされてまた会議をすすめることができます。

そんな人はいませんが討論を「茶にする」ようなメンバーがいたら台無しです。

お茶はリフレッシュの為に是非お呑みください。
くれぐれも茶にしないでくださいね。




 

雨乞いの七ツ釜

カテゴリー │東山の歴史



おはようございます。深蒸し茶の里掛川東山茶業組合です。

雨が待ち望まれる毎日、お茶を育てる私たちには雨は大切な自然の恵みです。
今朝は東山に古く信仰を集める雨乞いの神様、七ツ釜のお話です。
東山郷土誌から引用してご紹介いたします。

七ツ釜は雨乞いの神、これを読みますと先人たちの苦労や雨乞いの方法がわかり
興味をひかれます。
読みにくい古い文書ですが転載してみます。
「七ツ釜は古来より雨乞いの神として知らる、村民の信仰の厚き神である。祭神は
青光大竜神で竜神はいたく不浄を嫌う、若し不浄あれば直に雨を降らせ洗い流すと
いう伝説が残されている。古より旱魃久しきにあり、稲其の他の作物枯死に瀕せん
か農民は凶作を恐れ、天を仰いで降雨を待つ。諸所の神仏に祈願をこめ、いよいよ
ご利益なき時には山王神社に村民惣出し清姫の人形を作り安枕の釣鐘を岳にて
籠をつくり白紙を張り廻らし清姫を上に載せ鐘の中央に竹の棒を通し、二人にて担
ぎ鐘太鼓横笛を吹き鳴らし一同この後に行列行進、七ツ釜に到り上方より六ツ目
の大釜に納め入れて念仏を唱える。一方では寺の住職理趣文を読経大雨はい然と
至らんを祈る。古来よりの例で必ず効験顕れ、大雨ありしと伝えられる。雨到らん
か村の各所山頂にて篝火を焚き御礼の印とした。

お茶農家にとって雨はとても大切な恵みです。
先人の苦労を偲び、今この茶畑を育てる喜びを感じています。




 

急須の楽しみ

カテゴリー │お茶の楽しみ方



おはようございます。9月は一日いちにち深まることを知る季節です。深蒸し茶の
東山茶業組合です。

出かけますとお茶生産者として気になるのがお茶を呑む湯のみや急須などです。
昔は家庭用の大きな急須を多く見かけましたが、核家族化が進み最近では少人
数でお茶を楽しむ為の急須やポットが増えてきています。

急須や湯のみは生活雑貨的に扱われてきましたが、最近ではより楽しみを求め
ることから数千円以上のものも多く売れているようです。

たとえ少々高価であっても毎日使うものですからお気に入りを見つけるとうれしい
ものです。
湯のみも自分だけのもの、夫婦でそろえるもの、それぞれが好きなものと選びか
たはさまざまながらこだわりの品でお茶を呑むのは楽しいものですね。

昔は陶器市などがあると父と一緒に行き、家族5人分の茶碗などを購入していま
したが、今は家族それぞれがお気に入りのものを買うほうが楽しいなと思ってい
ます。

マイ湯のみで楽しむ秋のお茶、東山茶業組合では5月に製造したお茶を冷蔵倉
庫で熟成させております。 ぜひ秋も新鮮なお茶をお楽しみ下さい。




 

雨が欲しい!

カテゴリー │東山日記



こんばんは。

東山茶業組合でございます。

今年の夏は、長雨と日照不足だったはずが、八月にはいると、一転して雨がふらなくなりました。

例年ならば、梅雨明けしてからしばらく晴天が続き、八月下旬頃からは適度な雨が期待できるのですが、
今年は、八月以降雨が降りません。

この時期は、来年の一番茶の親葉となる葉層を充実させる大事な時期です。

茶畑を干ばつから守るためスプリンクラーによる散水がフル稼働中です。

自然の散水が早く欲しいものです。



 

手作り湯のみ

カテゴリー │お茶の楽しみ方



おはようございます。9月も第2週になりました。深蒸し茶の東山茶業組合です。

お茶の楽しみの一つに湯飲みがあります。東山の女性部は東山窯で手作りの
湯飲み作りにも挑戦しています。
自分だけの手作り湯のみづくり、誰かの為の湯のみづくりは楽しみの一つです。

湯のみの厚さの好みは人それぞれです。
厚めの湯のみが好きな人、薄くてピンと音がするような湯のみを好きな人、いろ
いろですが、自分で作った湯のみは愛しいものです。

焼き物の楽しさはカタチをつくることと、焼いてどう変化する楽しみです。
意外なできになった湯のみはたった一つ偶然の中で出来上がります。

自分で作ったたった一つの湯のみで楽しむお茶は格別です。
またどこかで出会った一つの湯のみにも出会いの楽しみがあります。

焼き物好きの人はそんな出会いを求めて歩くのだそうです。

みなさんはどんな湯のみをお持ちでしょうか、どんなお茶をお楽しみでしょうか



 

東山へいらっしゃい

カテゴリー │東山を訪ねる



おはようございます。9月の清清しい空気の中、粟ヶ岳を見上げる深蒸し茶の
里、東山茶業組合です。

東山は旧東海道日坂の宿から粟ヶ岳方面へ向かったところにありますが、
途中から二つの道に分かれます。
まっすぐに粟ヶ岳方面に行けば、東山の茶仲間の富士東茶業組合さんへ
右に坂をあがれば私たちの東山茶業組合に着きます。

茶畑の中にこの案内板を設置しています。
この案内板があるところが展望台で粟ヶ岳を見る一番よい場所です。

お茶の萌える四月にはたくさんのハイカーさんがやってくる東山ですが、これ
から秋の澄んだ空気の中もお出でいただきたいと思います。

秋になれば粟ヶ岳の展望台から遠くを臨むよい日が続きます。
よく晴れた日には富士山静岡空港から遠く富士山まで臨むことができます。

秋の連休もまもなく、東山へお越し下さい。



 

山里の柿色づく

カテゴリー │東山日記



おはようございます。9月は一日づつ深まります。朝夕涼しくなってきました
深蒸し茶の里、東山茶業組合です。

最近は里山という言葉が使われるようになりましたが、人の手が入り、そこ
に生活がある山を言うようです。
東山は粟ヶ岳の裾野にあり、下草を刈って畝間に敷いたりと山と共に暮す
毎日があります。

東山にも秋を告げる柿が色をつけ出してきました。
これからの季節、山の葉は少しづつ色づき出し、多くの葉を落としていきます。
その葉がまた山の土に還っていきます。

終末になりました。秋がやってくるのを感じながら、お茶はいかがでしょうか。
静かに近づいてくる秋を思いながら一服のお茶をお楽しみ下さい。