高座と茶

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高座と茶

おはようございます。 朝夕秋めいてそろそろ秋の虫の声も聴かれるようになり
ました。掛川粟ヶ岳の裾野の深蒸し茶処、東山茶業組合です。

今朝は橘蓮二先生の写真集の表紙をお借りしましてお茶のある情景を語って
みたいと思います。

落語の高座につきものと言えば、高座布団にお茶でございまして、出囃子に
乗って出てまいりました噺家が噺のまくらを振った後、噺に入りますと羽織を
後ろにスルリと脱ぎましていよいよお客を噺の中に入れていきます。

途中でひと息を入れてお茶を呑む、そんな仕草の良さも噺家の力のうちだと
言います。私たちはどんなお茶を召し上がっているのだろうと想像するところ
です。

ある時は静かに人情噺を語り、ある時は江戸の情景の中で武士になったり
長屋の住人になったりと噺は広がっていきます。
長い噺から小噺まで私たちはその落ちまでを知っていても師匠たちの噺の
世界にどっぷりと浸かってゆくのです。

どこか、もしくはどなたかご縁があれば、私たちの深いお茶、深蒸し茶で
一服していただきたいものだと思います。

今朝のお茶のある風景は高座、お弟子さんは高座を降りてくる師匠の為に
「お疲れさまでした」とお茶を淹れて待つのだそうです。



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この記事へのコメント
東山茶業組合さんはじめまして
まこりんPMといいます
よろしくどうぞ

いつも拝見させていただいています

昨日と今日
続けて落語の話が出たのが
俺も落語が好きなので
とても楽しく読むことができました

高座でお茶をいただく‥ということでは
やっぱり
今は亡き六代目・三遊亭圓生師匠が
真っ先に思い出されます
圓生師匠はお茶に限らず
咳払いとかの
普段の何気ないしぐさを
噺の途中に織り込むのが
とても上手な人だったと思います

あと
これはどこで見たか忘れましたが
なにかのドラマで
高座から戻ってきた兄弟子に
弟弟子がお茶を出すと
湯飲みを持った兄弟子が
なにもいわずに弟弟子に頭から
そのお茶をかけてしまいます‥

黙ったまま俯く弟弟子に兄弟子が穏やかに
「どうだい熱いか?熱かぁねぇだろう?
お前はそこが駄目なんだよ
今度からは
頭っからかけられた時に
熱くて飛び上がるようなお茶を持っておいで」
というシーンがありましたが

こんなシーンを見るにつけても
お茶は日本の文化に
本当に深く根ざしているんだなぁと
心から納得させられてしまいます
Posted by まこりんPMまこりんPM at 2009年08月21日 00:23
まこりんPMさん、こんにちは。
コメントをありがとうございます。 お茶のある風景を書いてみたくて
落語を思い出しました。日本の話芸を見たり、古典落語の本を読ん
だりと楽しんでいます。
圓生師匠すばらしいですね。引き込まれてしまいますね。
お茶は師匠たちにとっても大切な切り替え時間になるのでしょうね。
お茶を飲む師匠の心を知ってお茶を出すこと、どの仕事にも通ずる
ことですね。勉強になりました。
Posted by 東山茶業組合 at 2009年08月23日 17:33
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